コロナがもたらしたもの
旅行業界は、コロナ以前は就職ランキング上位に食い込むこともあるくらい人気業界だったわ。
しかしご存じの通りコロナで国内・海外旅行いずれも大打撃。
旅行業界最大手のJTBは人気就職ランキングの常連だったのに
今やすっかり圏外に。
他業界に比べて給料が安い旅行業界だったけど、
コロナ以降は拍車をかけてもう悲惨。
ボーナスカットは当然。←コロナ関係なく期待できない。
基本給はドン引きするくらい低賃金。
もう人間の尊厳ギリギリで働いているんじゃないかしら。
呑気なマダムは発生当時、航空会社でぼんやり働いていたんですけれどね。
腐っても航空会社、航空会社は国のインフラ業、絶対的安泰企業だと思っていたし。(本気)
コロナ到来でもどこか他人事で、今年の夏は大好きな海外旅行はお預けかなぁ、、、と
かなり軽めに見積もっていたのよね。
今思えばそこが起点でその後かなりの期間鎖国状態になるなんて思ってもみませんでしたわ。
最初の頃はまさかこんなにも長引くと思ってもいなかったから、
SARS再来か、、(今の学生さんはご存じないかも?!)くらいのものよ。
SARSだって今思えば1シーズン見送る程度ですぐ復活したんじゃなかったかしら。
当時は業界の大打撃と大騒ぎだったけれど、今となってはどうってことなかったわよね。
すぐリカバリーできたんだし。
コロナがいよいよというかちょっとヤバいんじゃない?と思いはじめたのは、
とにかくまったく終わりの糸口が見えなくなって、それどころか各国が鎖国政策を敷き、
移動手段が無くなってしまったこと。
移動がウリの航空会社で移動が絶たれるっていうね。
とにかく目の前のキャンセル処理で毎日が忙しくて、
一円にもならない事務作業に明け暮れていたけれど、
どんなに忙しかろうが新規のお客様が無期限で入ってこない状態が続くと
枯渇上等、もう会社として機能不全よね。
入金が無いのに従業員の給料は確実に出ていくわけで、早々に各社対策に乗り出したっけ。
航空会社が悲惨なら、旅行会社なんて底辺上等。
旅行業界の賃金水準って本当にびっくりするくらいひっくーーいんだけど
拍車をかけてさらに下がったわ。
もうここまでしいたげられると、いたぶられるって気持ちいいい♬と
開き直れるくらいのドM変態体質じゃないと続かないわ。
マダムの知り合いの旅行会社で勤務していた子も
生活が成り立たないから、カップ麺のライン製造、肉の下処理、助成金のコールセンター等々へ出稼ぎに行っていた。
だって本業から振り込まれる金額見て椅子から転げ落ちるわよ。
手取り一桁よ。
良くて13万。
他人事だったけど本当に泣けてきた。
人員整理がやってきた!
そうね、人員整理。
政府の助成金もあったけれど、そんなんじゃ追いつかないし、
マダムが勤務しているような外資系航空会社は容赦なく
本社が一方的にオラオラーッと決定を押し付けてくるのよね。
本社の決定に所詮支社である日本はありがたくそのお達しを受け入れるのみよ。
こういう時、外資系企業の冷酷さを感じるわ。
でも会社も必死よ。航空会社って見栄も大事だから、一等地の素敵なビルに
入っていることが多いのよね。
だからテナント料がひっ迫して、引っ越しや、縮小を余儀なくされた会社も。
それでも足りなくて結局は人員整理に手を出すんですけどね。
マダムの会社ももちろんありましたわ。
鬱で休職している人は除外で毎日ちゃんと働いているベテランが解雇ね。
病気理由で休んでいる人を解雇するとややこしいことになるから
そこには触れず、なんとなく冴えない人や上層部が独断とキライなスタッフを
ピックアップしてリストに載せるわけね。
我が部署でお助けマンのような人が呼ばれたわ。
いわゆる職人気質なところがややある人だったけど、その分専門知識があって
困った時に助けてくれる人。
組織って仕事ができる出来ないよりも外面やコミュ力が高い人が優先されてそうでない人は
目を付けられやすいのよね。
結局そういうこと。
エージェントさん(航空会社にとってのお客様は、個人のお客様だけでなく
お客様を連れてきてくださる旅行会社様も)からの信頼が厚い職人気質のスタッフは
お払い箱で、ろくに仕事しないけど社内政治に忙しくして上層部のお車係とかばん持ちに
徹してなんとか生き残る道を見出す輩もいたっけ。
見切りをつけて他業界にうまく転職した人ももちろんいたけど、
じゃない人ももちろん。
そういう人は、自分の能力と他業界が求めるスキルを照らし合わせて
いかにこの航空、旅行業界が生ぬるい業界かを思い知るのよね。
英語力やコミュ力高い人はたいてい他業界でも拾ってもらえる。
でも、旅行、航空業界にマインドもどっぷり浸かっちゃっている人は
はっきり言って、他業界でなんか通用しない。
その衝撃を目の当たりにして、給料カットだろうが低賃金だろうが
食いしばって耐えるわけよね。







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